ご挨拶

第72回は
鍼灸学の次代展望 −経験から学び、持続可能なエビデンスをつむぐ−

会頭 北小路博司

 2023年の第72回公益社団法人全日本鍼灸学会学術大会神戸大会は、近畿支部が担当し神戸国際会議場において開催することになりました。

 大会テーマは、「鍼灸学の次代展望−経験から学び、持続可能なエビデンスをつむぐ−」です。日本の疾病構造の変化とニューノーマル時代の到来に、国民に寄り添う医療として鍼灸が存在意義を示し、次代に繋ぐべく持続可能な医療として生き残っていかなければなりません。中国で発祥し、日本独自の発展を遂げてきた日本鍼灸は、経験医術(治療学)です。全日本鍼灸学会は、この経験からの学びを経験で終わらせるのではなく、エビデンスに基づく鍼灸(Evidence-BasedAcupuncture)を構築し、安全・安心な医療を届けることに存在意義があります。‘眼前の患者を良くしたい’という思いで医療に勤しむには、経験から持続可能なエビデンスを紡いでいかなければなりません。これは鍼灸の基礎・臨床研究のみならず、診断・治療法や教育研究の成果を科学的手法で蓄積していくことを意味します。神戸大会では、鍼灸の各領域のエビデンスを総括するとともに、次代に繋がる持続可能なエビデンスを構築する一助となるための上級演題を企画いたします。
神戸での開催は、2000年(第49回大会)以来、23年ぶりとなります。多くの皆様に視聴いただけるようアーカイブ配信の準備も進めています。
 2023年がアフターコロナとなり、会員はもとより多くの皆様の参加を得て、鍼灸学を次代に繋ぐ新たなスタートとなることを祈念いたします。
 参加される会員の皆様、また学生や一般参加者が充実した時間を過ごせるよう実行委員一同、鋭意準備を進めます。皆様方のご参加を心からお待ち申し上げます。

謹白
第72回 公益社団法人 全日本鍼灸学会学術大会 神戸大会 会頭 北小路博司