ご挨拶

会頭

第73回公益社団法人全日本鍼灸学会 大会会頭
高山 真
東北大学大学院医学系研究科
漢方・統合医療学共同研究講座 特命教授


 2024年の第73回公益社団法人全日本鍼灸学会学術大会は、東北支部が担当し仙台国際センターにおいて開催されます。
 大会テーマは、「つながり、通じ、いかす鍼灸 - 多様性の探求と連携医療への展開 -」です。2019年から蔓延した新型コロナウイルス感染症により、国内並びに国外とのつながりは分断されてしまいました。一方で、オンラインを用いた新たな技術展開により、ヒトの移動無しに、つながりを持つことが可能にもなりました。医療においても、遠隔診療などが導入され、より簡便にアクセスができ、提供される時代になってきました。しかしながら、伝統医学の本質は、患者と直接向きあい、接し、個人の体質や病態を把握し、志向などを取り入れて患者に合う治療、施術をするところにあります。そのような意味で、患者とつながること、考えが通じること、それを通じて鍼灸をいかすという意味でテーマを考えました。
 また、多様化する社会において、按摩マッサージ指圧師、鍼灸師、医師、歯科医師など、それぞれの立場で鍼灸に携わる方々がつながり、そのつながりから各人の専門性をいかした医療連携が展開されることもこのテーマに含まれています。
 さらに、医学教育、歯学教育、薬学教育、看護学教育の各モデル・コア・カリキュラムに漢方医学教育が取り上げられたこともあり、日本の伝統医学としての鍼灸も今後多くの医療職種の理解が望まれる段階に入りました。多様性の中には、教育者、研究者、臨床家など様々な意味も含まれております。教育機関の鍼灸師、研究を行い情報発信する鍼灸師、臨床で高い技術を持ち施術を行う鍼灸師、など多くの立場で伝統医学を伝え、発展させる方々のそれぞれの立場のつながりも重要と考えます。高い施術技術が教育され、臨床の現場における疑問から研究が進み、研究結果が各施術に応用されるなど、教育、研究、臨床はそれぞれの立場があるものの、一体となって鍼灸のレベルを底上げするものと考えています。
 東北での全日本鍼灸学会学術大会は、これまで1994年に青森(弘前)で、2015年に福島(郡山)で開催され、宮城大会は3回目の開催となります。上記のタイトルを踏まえ、鍼灸師、歯科医師、医師、薬剤師、看護師、教育者、研究者、臨床家、学生など、多くの職種、立場を踏まえた企画を作り、それらをつなぎ、つながりを通じ、社会において活かす鍼灸の実践が展開されるよう実行委員会一同準備を進めてまいります。
 皆様方のご参加を心からお待ち申し上げます。